海外旅行にはパスポート(旅券)が必須、ビザ(査証)も必要な国があります。取得方法や使い方など確認しましょう。



パスポートとビザ


海外旅行へ行くには必ずパスポートが必要です。また国によってはビザが必要なところもあります。
海外旅行の手配と同時に、持っていない人は早めに申請しておきましょう。


パスポートの種類


パスポートは、役所の用語では「旅券」と言います。

旅行者に発給されるものは「一般旅券」です。
これ以外には国の用務で海外に行く場合に発給される「公用旅券」というのがありますが、観光で出かける私たちにはそれは関係ありません。

パスポートは世界で通用する唯一の「身分証明書」で、海外ではいつでも提示できるようにしておかねばなりません。
「身分証明書」ですから1人1冊所持し、もちろん子供や赤ちゃんでも必要です。
パスポートは、出入国の審査の時ばかりでなく、国際線の搭乗やトラベラーズ・チェックを使うときも必要になります。

こういう性格のものですから、旅行中には常に携帯して、絶対に紛失してはいけません。

パスポートには有効期間が5年(表紙は黒)、10年(表紙は赤)の2種類があります。

20歳以上なら、この2種類のいずれかが選べます。

20歳未満では、5年有効のものだけしか発給されません。
成長期の人間は、短期間で顔が写真から変わってしまうのが理由ということです。

 

パスポートの申請方法


パスポートは申請してから受領まで1週間前後はかかります。
また申請時に持っていく書類もそろえなければなりません。結構な手数料も取られます。

出発日に間に合うように、早めに準備しましょう。

なお、受け付けてくれる窓口は、申請者の「住民票」のある都道府県になります。

申請方法については、外務省のホームページに詳しく載っていますので、そちらを見てください。

 パスポートの受領から申請まで : 申請の手順を説明しています。手数料も載っています。
 パスポート担当窓口一覧表 : 都道府県別の申請窓口を検索できます。

 

パスポート申請のさまざまなケース


パスポートの新規取得の他に、さまざまな申請のケースがあります。主なケースを次に述べます。
 
 

結婚して姓や本籍が変わった


「記載事項の訂正」申請で、従来のパスポートに訂正がされます。ただし「署名」の変更はできません。

「署名」を含め他の記載事項を変更する場合には、現在のパスポートを返納して再度新規の申請をしなければなりません。

新婚旅行の場合に、入籍のタイミングでパスポート訂正をするのは注意が必要です。

入籍の受理から、パスポートの訂正に必要な最新の戸籍謄本が出せるまでの事務的な期間が1週間程度はかかりますし、それを待ってパスポートの訂正申請をすれば、さらに発給までの期間がかかってしまいます。

これでは、入籍してすぐハネムーンというのは無理ですね。

そういう事情から、旧姓のままで新婚旅行に出かける人も多いです。
日程的に変更が難しいならば、旧姓のままの方が無難だと思います。

ただ旧姓のパスポートで出かける場合は、パスポートの姓名と、航空機やホテルの予約者氏名が異なったりするとトラブルが起きる可能性がありますので、予約する場合によく航空会社や旅行会社に確認をとっておく必要があります。
 
 

字の書けない乳幼児のパスポートを申請したい


パスポートは、赤ちゃん、子供でも必要です。

申請は本人が行うのが原則で、署名も必要ですが、字の書けない乳幼児は親が申請し、署名も親が行えば大丈夫です。
 
 

有効期間が残り少なくなったが、継続してパスポートが使いたい


基本的に有効期間内での発給はないのですが、多くの国で残存有効期間が数ヶ月以上残っていることを入国条件にしています。
そのため、有効期間が1年未満であれば「切替発給」という手続きが認められています。
現在のパスポートを返納して、新しいパスポートを受領します。
 
 

パスポートを紛失してしまい、再度発給を受けたい


パスポートの紛失は大変なことです。
偽造パスポートによる不法入国が事件として伝えられるように、誰か悪意のある人間に渡ってしまった場合に犯罪につながりかねないからです。

そのため、再発給をしてもらうには、紛失の場合は警察署、火事で焼失の場合は消防署の証明書がないと再発給されません。
またひどく汚してしまったり、損傷してしまった場合は、現物を返納して再発給してもらうことができます。

なお、あってはならないことですが、旅行中にパスポートを紛失しますと、その国から出ることができなくなります。

その場合には、その国にある日本国大使館か領事館に行って、「帰国のための渡航書」を発行してもらいます。
発行に必要な書類は下記の外務省のホームページを見ていただきたいのですが、ツアーに参加していたとしても発行まではそこで足止めで、発行後はすみやかに帰国させられることになります。
 
 パスポートに関する申請手続きで必要になる書類 : 右側の「国外」の欄です。
 
 

海外旅行を重ねて査証欄が埋まってしまい、余白がなくなった


余白がなくなったからといって、自分で紙を貼って継ぎ足してはいけません。
「査証欄の増補」申請をすれば正式な紙を継ぎ足してもらえます。

国によっては、ビザ申請の場合に余白のページ数を条件にしている場合もありますので、事前に調べておきましょう。
 

以上列挙したケースも、申請については新規申請と同様な手間がかかります。
書類を準備して申請に行き、1週間ほど先に受領するというパターンになります。

必要な書類の一覧は、次の外務省のホームページにあります。

 パスポートに関する申請手続きで必要になる書類 : 左側の「国内」の欄です。


ビザ


ビザは、役所の用語では「査証」と言います。
「パスポート」が日本国が認めた身分証明書なら、「ビザ」は訪問先の国が事前に申請者の入国を承認した証になります。

ビザを受けるには、訪問したい国の大使館や領事館に、パスポートはじめ指定された必要書類を提出して審査を受けます。
審査にパスするとパスポートの査証欄にスタンプかシールがもらえて、ビザが交付されたことになります。

ただし、ビザの交付は事前審査をパスしただけであって、確実に入国できる保証はありません。
その国の事情によっては入国審査で入国を拒否されることもありえます。

とはいうものの、本国の出先機関である大使館が交付したものですから、平時で観光目的で善良な日本人であればまず入国は大丈夫なはずです。

ところで基本はビザを受けてはじめて入国可能になるのですが、日本と友好関係にある国は相互で、観光などの目的で比較的短期間の滞在についてはビザ交付の免除を行っています。

 査証相互免除国一覧 : 外務省のホームページです。

この表でもわかるように、多くの国でビザが免除になっています。

表にない国でも、かなりの国がビザ不要になっていますので、一般の観光による海外旅行先で、現在ビザが必要な国はむしろ数が少ないと言っていいでしょう。

ただすべての国において、国際情勢の変化で扱いが変わることがありますので、最新のビザに関する情報は旅行会社などを通じて確認しておく必要があります。

また、現在日本と国交がない国は、世界の中で北朝鮮と台湾などごくわずかな国または地域です。

北朝鮮は日本に大使館などはありませんから、ビザ取得を含めて入国についての困難がありますし、核問題、拉致問題が未解決の現在の状況では、政府からも渡航の許可すら下りない状況です。

一方、台湾は国交はありませんが、国交断絶以前からの民間レベルの良好な関係を継続して、ビザは不要で自由に渡航が可能です。

なお、ビザは目的によって種類が分かれています。
観光目的の場合は「観光ビザ」になります。その国で働く場合は「就労ビザ」になります。

また青少年が旅行をしながら滞在費を稼ぐために一時的な就労を認める「ワーキング・ホリデー」というビザもあります。現在8ヶ国で使うことができます。

 ワーキング・ホリデー制度 : 外務省のホームページです。
 ワーキングホリデーの基礎知識 : ワーキングホリデーの制度や準備など詳しく説明したサイトです。国別のワーキングホリデー情報もあります。

 

シェンゲン条約


ヨーロッパの旅行案内では「シェンゲン条約」という言葉が出てきます。

ビザ免除を個々の国で認めるのではなく、ヨーロッパの加盟国通算で認めてより相互の通過を自由化しようとするもので、ヨーロッパの多くの国が加盟をしています。

ただ現在実施されているのは、オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、アイスランドの15ヶ国です。

これ以外の加盟国では、2007年12月に東欧のチェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド、旧ユーゴスラビアのスロベニア、バルト3国のエストニア、ラトビア、リトアニアとマルタの9ヶ国が陸路と海路で実施となり、2008年3月には空路での実施が予定されて合計24ヶ国になります。
地中海のキプロスも近いうちに実施する予定ということです。

スイスも加盟については批准されていますが、まだ実施時期は決まっていません。
一方、イギリスとアイルランドは加盟しないことを決めているということです。

条約の規定は細かい内容が取り決められているのですが、簡単に言えば、日本人で観光目的ならば、加盟地域内にビザなしで90日以下の滞在や移動が認められるということです。
地域内での国境の通過も簡単です。

ただ180日間のうちの90日という取り決めになっていますので、たとえば90日間のリッチな長期バカンスをこの地域で行った場合は、その後に90日以上置いた後でなくてはビザなしの入国は認められません。


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