ベトナムは、中国の南、インドシナ半島の東岸に沿って南北に長く延びる国です。
古くから北部は中国の影響、南部はインドの影響を受け、939年に最初のベトナム民族の王朝が成立しました。南部はカンボジアの勢力化でしたが、17世紀にほぼ現在の領土が確定しました。
近代に入って1887年からはフランスの植民地、太平洋戦争では日本が介入し、大戦後はフランスからの独立戦争が続きました。
1954年の戦争終結時に南北分断、1960年からベトナム戦争が始まり、1973年からアメリカが介入、1975年にようやく戦争が終結して南北も再び統一されました。しかしその後も中国、カンボジアと戦闘が続き、完全に戦火が消えたのは1989年です。
1986年から社会主義に市場経済を取り入れる「ドイモイ政策」が始まり、近年は経済発展が著しい国となっています。
長い戦争はありましたが、古代の面影を残す街がいくつも点在する国です。
面積 : 33万ku(日本の90%)
人口 : 8423万人(2005年)
人種 : ベトナム人(9割)
言語 : ベトナム語
宗教 : 仏教(8割)、他に道教、カトリックなど
《気候》
全般に高温多雨です。北部は冬は多少過ごしやすいですが、南部は年間を通じて変化がありません。
《時差》
日本標準時 − 2時間です。
《アクセス》
ホーチミンシティまで成田空港から6時間40分、関西空港から5時間35分、中部空港から6時間20分、福岡空港からは5時間10分です。
ハノイへは成田空港から6時間15分、関西空港から5時間25分です。
《ビザとパスポート》
観光の場合、15日以下の滞在はビザは不要ですが、16日以上の滞在はビザが必要です。
パスポートは、残存有効期間が3ヶ月以上あることが必要で、入国審査の際には出国用の航空券の提示が必要です。
ベトナム北部、ホー川(紅河/Red River)の南岸にある人口350万人の首都です。
7世紀頃からこの地方の中心地となり、11世紀の李朝成立から1802年のフエ遷都までの王都でした。1887年からのフランス領インドシナ時代はその中心地となり、独立後、南北分裂時代を通しても首都としての機能を果たしています。
ハノイ市街の地図
ホー川近くにある町の中心地です。
11世紀に李太祖が拓いた都の中心地で、町を走る36の通りごとに同一の種類の仕事職人や商人を住まわせたために、必要なものはどこへ行けばいいかがわかるようになっており、「ハノイ36通り」と呼ばれます。
ベトナム戦争での戦火を逃れ、昔ながらの風情を残しています。
旧市街の北部にあるハノイ最大の市場です。
1994年に火災があったため、1996年に現在の近代的な2階建てビルに生まれ変わりました。
社会主義国家にありがちな威圧的な建物という風情で、内部の店もあまり活気はありません。
むしろ周辺に集まっている露店のような店のほうが活気があります。
旧市街の南にある南北600m、東西200mほどの湖です。
15世紀に漁師がこの湖で亀から剣を授かり、時の王に献呈したところ明軍を撃退して中国支配から解放したと言う伝説があります。
南寄りの湖上に小さな亀の塔が立っています。
ホアン・キエム湖の北部に浮かぶゴックソン島にある老子を祀る寺です。
13世紀に創建され、1865年に再建されたものです。島の東側から橋を渡って訪れることができます。
ホアン・キエム湖の北岸近くにある人形劇場です。
ベトナム北部で11世紀頃から水田で始まった人形劇で、水田同様水の上で操り人形の劇を演じ、17ほどの短いコミカルな民話がプログラムになっています。
ベトナム北部各地にありますが、1969年設立の当劇場は町の中心にあるために、観光客にも人気になっています。
ホアン・キエム湖の南東0.7kmにある博物館です。
1932年開校のフランス極東学院の建物を1958年に博物館としたものです。
旧石器時代から近代に至るまでの遺物を年代順に展示しています。
旧市街の西1.5kmにあるベトナム建国の父・ホーチミン主席の廟です。
1969年に79歳で死去した後、1975年の建国記念日に建てられたもので、広大な敷地に大理石造りの廟があります。
ガラスケースに遺体が安置され、警備が厳しく、警官の誘導に従って見学することになります。
カメラやバッグの持ち込みも厳禁です。
ホーチミン廟の南にある寺で、池の中に1本の柱を足として、その上に3m四方程度の小さな祠があります。
子宝に恵まれなかった李太祖が、慈母観音の夢を見た後に子を授かった感謝から1049年に建造したものです。
ハスの花が咲く姿をかたどったもので、国内最古の建造物です。
現在は足となる柱はコンクリートに替えられています。
ホーチミン廟の南1kmにある孔子廟です。
1070年の創建で、1076年にはベトナム最初の大学を併設しています。
15〜18世紀には官吏登用の試験「科挙」が行われ、その合格者が石碑に刻まれています。
ハノイの南東10kmにある村で、13世紀頃から陶器が作られてきた村です。
村のほとんどの人が陶器作りに従事し、工場や陶器を売る店が並んでいます。
ハノイの東150km、トンキン湾に面する湾です。
奥行き約30km、幅8〜16kmほどの湾内に大小2千近い奇岩が林立し、「海の桂林」と呼ばれるベトナム随一の景勝地です。
浸食された石灰岩台地が海に沈降してできたといわれています。
北岸のバイチャイ(Bai Chay)から遊覧船が出ています。
ハロン湾の地図
ハノイの北西250km、標高1560mの高原にあるフランス植民地時代に開発された避暑地で、少数民族が人口の8割を占める村です。
夏は雨季、冬は寒く、春秋がベストシーズンでトレッキングなどが楽しめます。
アクセスは北東30kmの中国国境の町ラオカイ(Lao Cai)まで鉄道が通じ、そこからバスになります。
ハノイの南南東530km、ベトナム中部の人口30万人ほどの町です。かつてはフランス語読みで「ユエ」と呼ばれたことがあります。
10世紀にチャンパ王国の中心都市で、16〜18世紀には広南国の都となり、1802〜1945年まで最後の王朝である阮(グエン)朝の都が置かれた町で、市街を流れるフォーン川(Huong River)沿い当時の建造物群が世界遺産に登録されています。
フエ市街の地図
フォーン川北岸にある阮朝の王宮跡です。
17世紀頃から造られた城塞を、阮朝支配となった1803年から20数年かけて大規模に増築したものです。
一辺約2.2kmの正方形の城壁に囲まれた都の敷地のうち、南東辺近くに約600m四方の城壁で囲んだ王宮跡「皇城(大内(Dai Noi)とも呼ぶ)」があります。
北京の紫禁城を模して造られ、四方には南の「午門」をはじめ4つの門が配され、居城の「紫禁城」、行政を行った「太和殿」、歴代皇帝の墓「世廟」などが復元されて残っています。
ベトナム戦争で大半が破壊されましたが、ユネスコの支援で徐々に復元が進められているということです。
王宮の東門(顕仁門)近くにある阮朝の宮廷で使われたものを展示する博物館です。
衣装や装飾品、家具、調度品などを見ることができます。
王宮の西3km、フォーン川沿いにある1601年創建のフエを代表する仏教寺院です。
高さ21m、七層八角のトゥニャン塔がシンボルです。
市街の中心部からフォーン川の遊覧船で行くことができます。
市街の南西5kmにある、阮朝第4代トゥ・ドゥック帝の廟です。
本人存命中の1867年に建造され、釣りや詩作にふける別荘として使われ、大きなハス池のたもとに中国風の釣殿や、狩猟のための鹿の飼育所があります。
市街の南7km、丘の斜面に建てられた阮朝第12代カイ・ディン帝の廟です。
1931年に完成された西洋風のコンクリート造りで、内部は世界から集めた陶器やガラスがちりばめられています。
市街の南南西10km、阮朝第2代ミンマン帝の廟です。
1844年に完成された中国式庭園様式に基づく廟で、美しい建物や庭園が風水によって配置されています。
フエの北西90km、第二次大戦後の南北対立した独立戦争で休戦のために1954年に設定された停戦ラインです。
北緯17度で南北を分け、東西60km、幅10kmの範囲を非武装化することをジュネーブ協定で決定しました。
当時の戦跡や記念碑があちこちに残る地域で、フエから1日がかりのバスによる観光ツアーが出ています。
フエの南東90kmにある人口70万人の港湾都市です。
古くはチャンパ王国の主要都市として栄え、18世紀には主要港だったホイアンが砂の堆積で使えなくなって、港の機能をとってかわった町です。以後主要な産業都市として発展しています。
ダナン市街の地図
市街の東部、ハン川近くにある博物館です。
紀元前2世紀から紀元15世紀まで栄えたチャム族によるチャンパ王国の遺物を展示しています。
多くの砂岩製の神像や彫刻などがあり、米軍の爆撃で破壊されたミーソン遺跡の主祠堂の模型などもあります。
ダナン市街の南東8kmの海岸近くにある山々です。
5つの岩山には木、火、土、金、水の名前が付けられ、大理石でできているため「マーブル・マウンテン」とも呼ばれます。
山中には仏教寺院が点在し、洞窟や鍾乳洞もあります。
麓には多くの大理石工場があります。
ダナンの南東30kmにある町です。
トゥボン川(Thu Bon River)の河畔に広がる町で、16〜19世紀にはヨーロッパや中国、日本との貿易港として栄えました。当時は日本人街もありました。
当時の面影を残す町並みが世界遺産に登録され、1593年に建造された日本人が設計した屋根つきの橋「来遠橋(日本橋ともいいます)」や中国建築の「福建会館」などの見所があります。
ホイアンの地図
ホイアンの南西45km、山間の谷にある、5〜13世紀のチャンパ王国の遺跡です。
当時の信仰の聖地で、広い地域に多くの寺院遺跡が残っています。
ベトナム戦争で爆撃を受けて破壊されたものもいくつかあり、現在は8つの寺院群約70棟のうち、4つの寺院群が整備されています。
ダナンの北西15km、フエへ向かう途中にある峠です。
山脈が海までせり出した分水嶺にあたり、ダナン市街や南シナ海の景色が一望できます。
ベトナム南部、サイゴン川(Saigon River)の西岸に広がる人口600万人のベトナム最大の都市です。旧称はサイゴン(Saigon)で、その呼び名は現在でも使われています。
1954年の南北分裂で南ベトナムの首都となりましたが、1975年に北ベトナムの侵攻で陥落、南北統一後にホーチミン市と改称されました。ハノイが政治の中心地に対し、こちらは経済の中心を担っています。
世界で最もバイクの台数が多い町で、主な通りはバイクであふれかえっています。
ホーチミン・シティ市内の地図
市の中心部にある旧南ベトナム政府時代の大統領官邸で、別名「トン・ニャット宮殿」です。
1873年にフランスの総督が住むために造られ、1962年から建て替えられたものです。
1975年に北ベトナム軍の戦車が鉄柵を突破して無血入場を果たし、事実上のベトナム戦争終結となりました。
内部は100に及ぶ部屋があり見学ができます。
屋上には当時の大統領が逃亡のために使ったヘリポート、敷地の一角に突入したソ連製の戦車が展示されています。
統一会堂の西北西0.5kmにあるベトナム戦争の遺物を展示する博物館です。
米軍の戦車や大砲、爆弾などの兵器などの他、枯葉剤の使用による奇形胎児の標本、報道写真、牢獄のレプリカなどさまざまな生々しい展示物があります。
統一会堂の北東0.5kmにある大聖堂で、正式名称は「聖母マリア教会(Notre Dame Cathedral)」です。
フランス統治時代の1880年に建造された赤レンガ造りのゴシック風の教会で、高さ約40mの2本の尖塔があります。
古くから町のシンボル的な存在となっています。
サイゴン大教会の前から南東に走る通りで、市内随一の繁華街です。
雑貨や工芸品の店が建ち並び、ホテルやレストランも周辺に集まっています。
統一会堂の南東1kmにある市内最大の市場です。
食料品、雑貨、衣類などの他、土産物の店もあって観光客もよく訪れます。
統一会堂の北東1.5km、動植物園の園内にあるベトナムの歴史資料を展示する博物館です。
先史時代から近代までの遺物を歴史を追って展示し、少数民族の衣装や、アオザイの歴史なども一目でわかります。
日本との交流を示す、日本の磁器や貨幣も展示されています。
統一会堂の北西2kmにある仏教寺院で、漢字では「永厳寺」です。
日本に留学した僧侶が開いた寺で、ベトナムの伝統的な仏教建築に最新技術を取り入れて1971年に完成しました。
日本との親交が深く、ベトナム南部最大といわれる「平和の鐘」は横浜市の曹洞宗総持寺から寄贈されたということです。
市街中心部から南西5kmにあるチャイナタウンです。
18世紀後半から華僑が集まり始め形成されたといわれています。
1975年の南北統一後は海外へ脱出した人が多く、一時衰退しましたが、ドイモイ政策や中越国交正常化で再び活気が出てきています。
中国とベトナムの混合した独特の雰囲気があり、国内最古の中国寺院「天后宮」や活気のある「ビン・タイ市場」などのスポットがあります。
ホーチミン市の北西40kmの町クチ(Cu Chi)にある、南ベトナム解放戦線の造った戦闘用のトンネル跡です。
数10kmの広大な範囲に延べ200kmものトンネルが掘られ、内部は小柄なベトナム人がやっと入れるようになっており、地下も何層かの構造にして、作戦会議室や病院、炊事場などの施設もあったということです。
このトンネルを使って神出鬼没のゲリラ戦を行い、米軍を苦しめたといわれます。
現在は観光用に一部が見学できます。(観光トンネルはクチの町から30km離れた位置にあります)
ホーチミン市の南西60km、メコン川の北岸にある町です。
大河メコン川の下流にあたり、メコン川クルーズの拠点になっています。
川幅2〜3kmある川をさかのぼり、果物の宝庫「タイソン島」、ヤシだけ食べて生活した宗教教団のあった「フーン島」などいくつかの中洲の島をめぐるツアーが出ています。
ホーチミン市の南東60km、南シナ海に臨むビーチ・リゾートです。
19世紀末にフランス人が開発したリゾート地で、長い海岸線にいくつものビーチがあります。
他のビーチリゾートには劣りますが、ホーチミン市から手軽に来れる行楽地として賑わっています。
サイゴン川を下る高速船で訪れることができます。
ホーチミン市の東150kmにある町で、特産のニョクマム(魚醤)の産地です。
町から東に延びる海岸は静かで美しいビーチで、ホーチミン市民が泊りがけで来るリゾート地になっています。
ホーチミン市の北東240km、標高1500mの高原にある避暑地です。
20世紀初頭に開発され、ヨーロッパ風の別荘が点在します。
湖や滝などの景勝地もあり、ベトナム人のハネムーンのメッカとなっています。
ホーチミン市の北東320km、南シナ海に臨むベトナム屈指のビーチ・リゾートです。
白い砂浜が7kmも続き、ビーチ沿いにホテルが並んでいます。
海水浴の他にダイビングなども可能です。
近くには7〜12世紀のチャンパ王国の寺院遺跡「ポナガー遺跡(Po Nagar Cham)」もあります。
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