パリの南方から西へ、ロワール川(Loire)と支流が作る広大な丘陵地帯、およびブルターニュ半島をエリアとします。
ロワール川はフランスの中央部を横断してビスケー湾に注ぐ、全長1020kmのフランス最長の川です。その流域は「フランスの庭」と呼ばれ、比較的小さな町が点在するのどかな地域で、フランスの有名なワイン産地でもあります。
中流域の川沿いには中世の城が点在し、城巡りも観光のひとつとなっています。
ブルターニュ(Bretagne)地方はフランスの西海岸から大西洋に大きく突き出す半島の地域で、ロワール川河口の町ナントも含みます。ケルト系の文化を持ち、フランスの中でも異国の雰囲気のある地域です。
ロワール川上流部はフランスのほぼ中央に位置し、休火山が点在する山がちの高地で、オーベルニュ(Auvergne)地方と呼ばれます。クレルモン・フェランが中心地です。
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★世界遺産
・ガイド中の距離記述は、管理人が地図から求めた直線距離です。
パリの南西80km、田園地帯の中にある古くから司教座が置かれた古都です。ノートルダム大聖堂が町のシンボルになっており、周辺は古い街並みが広がっています。
町の中心にある大聖堂で、町の名を冠して「シャルトル大聖堂」とも呼びます。
11世紀に創建され、1146年の火災の後、1260年に現在の形になりました。
正面にある2本の尖塔は建設時期が異なるため、右側が古いロマネスク様式、左が新しいゴシック様式になっています。
門の美しさや、「シャルトルの青」といわれる青いステンドグラスなど見所が多くあります。
聖母マリアがキリスト出産の際に着ていた聖衣が納められているといわれています。
町の南東郊にある建物です。
墓守人のレイモン・イジドール氏が1930年に建てた家で、身近にある皿やビンの破片を30年かけて家の壁全体に貼りつけてオブジェにしたものです。
使った破片は400万個にのぼるといわれています。
パリの南110km、ロワール川の北岸に位置する人口10万人ほどの町です。
ロアール川流域とパリをつなぐ交通の要衝で、古くから外敵との戦いがありました。特に15世紀の英仏百年戦争の終盤に、当地のイングランド軍の200日にわたる包囲をジャンヌ・ダルクの活躍でわずか10日でフランス軍が破ったことが有名で、ジャンヌ・ダルクゆかりの地となっています。毎年5月7〜8日には1435年から続く盛大な「ジャンヌ・ダルク祭」が開かれます。
オルレアンの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
旧市街の中心にあるゴシック様式の大聖堂です。
13世紀に着工し、16世紀に完成、1568年には宗教戦争で一部破壊されましたが、18〜19世紀に現在のものに再建されました。
ジャンヌ・ダルクの生涯を描いたステンドグラスや、礼拝堂にはジャンヌ・ダルクの絵が掲げられています。
サント・クロワ大聖堂の西0.6kmにある木造の建物です。第二次大戦で焼失して復元されたものです。
ジャンヌ・ダルクは1ヶ月ほど滞在しただけということですが、中は博物館となっています。
オルレアンの東から南西にトゥールの先までの約200kmほどのロワール川沿いの地域をいいます。渓谷と称しながらも、実際はなだらかな丘陵地に広大な野原や森が広がっています。
美しい自然環境に、中世の王侯貴族が次々と城を建て、現在も90以上の城が残っています。
ロワール川の景観とシャンボール城が世界遺産となっています。
ロワール渓谷付近の城の地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
オルレアンの南西40kmにあるロワール渓谷で最大の城です。
1518年にフランソワ1世が狩猟用の邸宅として着工し、40年ほどかけて一応完成し、最終的な完成はルイ14世時代の1685年です。
幅156m、奥行き117m、部屋は440あります。敷地全体は54kuもあり、全長31kmの壁で囲まれ、城や庭園を除く部分は森林公園になっています。
見学は半日程度は見たほうがいいです。
オルレアンの南西60km、ロワール川北岸の町ブロワにある城です。
13世紀にレオナルド・ダ・ビンチの設計で創建され、1503年から王家の城となり、1598年にパリに移すまでフランスの第1城でした。
16世紀に造られた「フランソワ1世の階段」、1588年にギース公が暗殺された場所という「アンリ3世の居室」、237の隠し戸棚があるという「カトリーヌ・ド・メディシスの部屋」などが見学できます。
ブロワ城の南東10kmにある城です。
シュベルニー伯爵が1604年から30年かけて造営したもので、外観は城というより邸館のような感じの左右の均整の取れた建物です。
これまで他人の手に渡ったことはなく、現在も伯爵の子孫が住んでいます。内部は一部公開しています。
ブロワ城の南西30km、トゥールの東20kmにある、ロワール川を見下ろすように建つ城です。
15世紀末にシャルル8世が建てたもので、イタリア様式の影響を受けた最初の建物です。
その後フランソワ1世らの国王らが住みましたが、1560年に旧教徒が新教徒”ユグノー”を大虐殺した「アンボワーズの陰謀」が起こり、その後城は廃棄され、現在残っているのは一部だけということです。
南東1kmには、レオナルド・ダ・ビンチが晩年を過ごした館「クロ・リュセ(Clos Luce)」があります。
アンボワーズ城の南東10kmにある城で、ロワールの城の中では最も優美といわれるルネサンス様式の傑作です。
16世紀の創建で、ロワール川の支流シェール川(Cher)をまたぐように建てられています。
「6人の奥方の城」といわれ、代々城主は女性でした。
2代目城主がアンリ2世の愛人ディアーヌ・ド・ポワティエで、アンリ2世の死後、正妻のカトリーヌ・ド・メディシスに城を取り上げられたという話が残っています。
トゥールの西南西15kmにある城です。
1530年頃の創建で、中世の城塞の名残をとどめるルネサンス様式の城館です。
幾何学模様のフランス式庭園が有名で、泉水の庭園、樹木庭園、菜園と3層に分かれています。
トゥールの南西25km、アンドル川(Indre)の中洲にある優雅な城で、1518年から建造され、ゴシックからルネサンスへの過渡的な様式を持っています。
城主の奥方が築城の指揮をとったといわれ、その姿から「ロワールの真珠」とも呼ばれます。
内部は家具や絵画などが配された「ルネサンス博物館」となっています。
トゥールの南西40kmのアンドル川沿いにある城です。
童話「眠れる森の美女」のモデルの城として有名で、深い森を背景に、まさしく”西洋のお城”のイメージが当てはまります。
1485年から1535年にかけて建造され、さまざまな建築様式が混在します。
城内では中世の家具や調度品を展示し、ロウ人形で「眠れる森の美女」の物語が再現されています。
オルレアンの南東110km、ロワール渓谷の中心に位置する町です。市街の北をロワール川、南をシェール川が流れており、ロワール川沿いに旧市街があります。
ローマ時代からの歴史を持ち、15世紀のルイ11世時代には一時首都になったこともあります。ロワール渓谷の古城巡りの拠点にもなっています。
トゥールの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
旧市街の西寄りにある広場です。
中世の木組みの家が周囲に並び、カフェやレストランが集まっています。大学の近くで、観光客や学生で賑わっています。
プリュムロー広場の南にある教会です。
4世紀にこの地でキリスト教を布教し、数々の奇跡を起こしたという聖マルタンが修道院を建てた地で、以後火災や取り壊しと再建を繰り返し、現在のものは1887年に建てられたものです。
聖マルタンの墓もここにあります。
プリュムロー広場の東1kmにある大聖堂です。
13〜16世紀にわたって建てられたゴシック様式の教会で、聖サン・マルタンのさまざまな奇跡を描いたステンドグラスがあります。
北側は死を表す青、南側は楽しさなどを表す赤が基調になっています。
サン・ガシアン大聖堂の南隣に建つ美術館です。
17〜18世紀の大司教の館を改装して1910年に開館したもので、19〜20世紀のフランス絵画を中心に展示しています。
フランス式庭園の中庭もあります。
オルレアンの南南東100kmにある町で、坂道や石畳の街路に、中世の建造物が多く残ります。かつてシーザーが「ガリア(現フランス)で最も美しい街」と呼んだ地です。
旧市街の中心にある大聖堂です。
1195年から1255年にかけて造られたゴシック様式の建物で、アーケードの高さが非常に高く、構造面や外観で他に類似の教会はない独創的なものです。
「シャルトルの青」に対して、こちらのステンドグラスは赤を多用しています。
トゥールの西100km、北からマイエンヌ川(Mayenne)、サルト川(Sarthe)が合流し、すぐ南でロワール川に注ぐメーヌ川(Maine)が流れる、人口26万人の製造業や商業が盛んな都市です。15世紀から大学がある学園都市でもあります。
アンジェの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
市街の中心部、メーヌ川河畔にある城塞です。11世紀にアンジェ公が建造し、13世紀にルイ9世が再建したものです。
全長660mの城壁で囲まれ、周囲に17の円塔が配されています。
城内にあるタピスリー(”タペストリー”の仏語)のコレクションが有名で、中でも14世紀作で”ヨハネの黙示録”をテーマとする縦5m、長さ107mに及ぶ「黙示録のタピスリー」は現存する最古のものといわれ、最大の目玉です。
ロワール川河口近くにある人口30万人弱の都市です。古代からの歴史を持ち、中世にはブルターニュ公爵が宮廷を置いた地です。
1598年に、アンリ4世が国内のプロテスタント”ユグノー”の信教の自由を認めた「ナントの勅令」を出した地としても知られています。
ナントの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
市街の中心部にある城です。13世紀から造られ、15世紀に最後のブルターニュ公の居城でした。
1532年にフランスに帰属されてからは国王の居城になりました。
内部には民族衣装や家具などを展示した「民俗博物館」と、海洋貿易に関する資料を展示する「海洋博物館」があります。
金冠の塔や、冠の形の井戸の見所もあります。
ブルターニュ公城の北にある大聖堂です。
1434年に着工し、ジャン5世が公国一の大聖堂を望んだため、完成まで450年以上かかりました。
ナントの勅令にアンリ4世が署名をした場所でもあります。
ブルターニュ公城の北東にある美術館です。1810年の創設で、中世から現代までの絵画を展示しています。
17世紀の画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールやアングル、クールベなどの優れたコレクションがあります。
ブルターニュ公城の南西3kmのロワール川沿いの高台にある博物館です。
「十五少年漂流記」、「80日間世界一周」などの作者で当地出身のジュール・ベルヌの原稿や初版本、挿絵などが展示されています。
ナントの北100km、ブルターニュ半島の付け根に位置するブルターニュ地方の中心地です。大学があり学生の人口が多い学園都市で、工業都市でもあります。
1720年の大火で町の大半が焼失しましたが、旧市街の歴史的建造物は残りました。
17世紀のネオ・クラシック様式の「サン・ピエール大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre)」をはじめ、中世の建物が街並みに残っています。
レンヌの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
レンヌの北70km、サン・マロ湾に面する高級リゾート地です。
中世には合法とされた海賊の港町として発展しました。
旧市街は12世紀に築かれた城壁に囲まれ、石造りの建物が集まっています。これらは第二次大戦でドイツ軍撃退のために連合軍の爆撃で破壊されましたが、戦後市民によって瓦礫から忠実に再現したものです。
旧市街の中心に11世紀建造の「サン・ヴァンサン大聖堂(Cathédrale Saint-Vincent)」があります。
街にはカフェ、ブティック、土産物屋などが集まり、海岸沿いにはホテルや別荘が並びます。
なお、ここから東30kmに世界遺産のモン・サン・ミシェルがあります。
ブルターニュ半島南西部にある町です。
5世紀にイギリスから渡ってきたケルト人が造った町で、当時のイギリスの名称「ブリタニア」から「ブルターニュ」となったという発祥の地です。
古い街並みの旧市街の中心に1240年から建てられた「サン・コランタン大聖堂(Cathédrale Saint-Corentin)」があり、特産のカンペール焼きの工房や博物館なども点在します。
パリの南350km、リヨンの西140km、中央高地の火山地帯であるオーベルニュ地方の中心地です。
かつてはクレルモンとモンフェランの2つの町で、クレルモンは古代からの町でこの地方の宗教の中心地に対して、モンフェランは12世紀にオーベルニュ伯爵が造った新都市です。1095年にこの地で宗教会議が開かれ、教皇ウルバヌス2世が第1回十字軍を呼びかけたことで有名です。
町は火山の噴火でできた丘の上にあり、溶岩石を使った街並みで色合いが黒っぽく、「黒い町」と呼ばれます。
クレルモン・フェランの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
旧市街の中心にあるゴシック様式の大聖堂です。
1248年から着工され約100年かけて完成しましたが、ファサードと尖塔は19世紀に建てられたものです。
溶岩を材料とした黒い色調の建物に対し、豊かな色彩のステンドグラスや「聖ゲオルギウスの殉教」の壁画が見所です。
聖母被昇天大聖堂の東を南北に走る石畳の残る約200mほどの通りです。
17世紀の天才数学者で物理学者、哲学者パスカルの生地近くにあり、骨董屋や古本屋などが並んでいます。
聖母被昇天大聖堂の北東にある小さな聖堂です。
11世紀に造られた地下聖堂の上に、12世紀になって建てられたもので、オーベルニュ地方に残るロマネスク教会の代表作といわれています。
地下聖堂には、黒い聖母像や祭壇の周りの彫刻を施された柱などを見ることができます。
世界遺産であるスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路のひとつとなっています。
市街の西10kmにそびえる標高1464mの死火山です。
市街のどこからも見えるシンボル的な山で、頂上まで道路が通じています。
この付近で湧出するミネラル水は、この北のボルビック(Volvic)村で同名の製品になっており、ラベルの景色はこの周辺の山並みを使っています。
クレルモン・フェランの南南東100kmにある町です。ロワール川の水源に近い山間部の谷にあり、かつての火山岩の台地が浸食されて切り立った岩山が点在します。
スペイン北西部のキリスト教聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの4つの巡礼路のうちの起点の1つとなっています。この町自体も、古代に聖母マリアが出現したという伝説で聖地となっています。
旧市街にある大聖堂です。5世紀頃に建てられた聖堂から増改築を経て、19世紀に現在の姿になったものです。
11世紀から16世紀にかけて聖母マリアを祀る重要な聖地の役割を果たしました。
溶岩で作られた「黒い聖母子像」をはじめ、フレスコ画、彫刻、ステンドグラスなど多くの見所があります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の一部として世界遺産になっています。
ノートルダム大聖堂の背後にある岩山で、頂上にはクリミア戦争でロシアからの戦利品の大砲を溶かして作ったという高さ16mの巨大な「フランスの聖母子像(Notre-Dame de France)」が建っています。
夜にはライトアップされます。
市街の近くにある、高さ82mの溶岩でできた切り立った岩山の頂上にある礼拝堂です。
10世紀に当地の司教がフランス人として初めてサンティアゴ・デ・コンポステーラへ巡礼し、帰国後に建てたものです。
狭い石段で登ることができます。夜にはライトアップされます。
クレルモン・フェランの西150km、リムーザン地方(Limousin)の中心の町です。
ローマ時代から交通の要衝で、中世にはサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼ルートにもなりました。
古くから焼きものの町で、12世紀頃からの「七宝焼」、18世紀からの白磁の「リモージュ焼き」が有名です。
13世紀創建でゴシック様式の「サン・テティエンヌ大聖堂(Cathédrale Saint-Etienne)」、その隣にあり中世からの七宝焼きのコレクションが有名な「市立博物館(Musée Municipal)」、北西1kmにある世界の陶磁器を展示する「アドリアン・デュブーシェ国立博物館(Musée National Adrien Dubouché)」などがスポットです。
リモージュの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
ナントの南130kmにある大西洋に面する港町です。11世紀に城塞が築かれたのが始まりで、中世には貿易港として栄えました。
「旧港(Vieux Port)」には、「サン・ニコラ塔(Tour Saint-Nocolas)」、「シェーヌ塔(Tour de la Chaine)」、「ランテルヌ塔(Tour de la Lanterne)」の古い3塔が建ち、美しい風景が見られます。
また旧市街の入り口には14世紀の「大時計門(Grosse Horloge)」があります。
町の沖には本土と橋でつながる幅3〜5km、長さ26kmの細長い島「レ島(Ile de Re)」があり、美しい砂浜に養殖のカキが名物になっています。
ラ・ロシェルの市街地図 : 右下の拡大ボタンで大きな地図になります。
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パリとその周辺 : パリの市内とその郊外のベルサイユなどです。
フランス北部 : ランス、アミアン、ノルマンジー地方、モン・サン・ミッシェルなどです。
フランス東部 : ロレーヌ地方、アルザス地方、リヨン、モンブラン、シャモニーなどです。
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フランス南部とモナコ : ボルドー、コート・ダジュール、ニース、プロバンス地方、コルシカ島などです。モナコ公国も含みます。
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