ハンガリーは、東欧のほぼ中央部にある国で、周囲を多くの国に囲まれています。
内陸国ながら、中央を北から南へドナウ川が貫通して、概して平坦な地勢です。
古代より東方からの侵略を受けやすい地域にあり、5世紀にはフン族、6世紀にはアバール族が侵入し、9世紀から現在のハンガリー族が定着しました。
11世紀から強大な王国に発展しましたが、16世紀には東のオスマン・トルコと西のオーストリアに吸収、17世紀にトルコの衰退でオーストリア支配となりました。
19世紀の独立運動によりオーストリアと合体した王国が復活、しかし国王不在のまま第二次大戦に突入、戦後ソ連側に入って共産化しました。
1989年から民主体制に転換、2004年にEU加盟を果たしています。
ヨーロッパの中でもアジアの要素を内包し、ジプシーなどの民族音楽が知られる独特な国です。
なお、国名の「ハンガリー」は英語による公式名称で、ハンガリー語による正式名称は「マジャル(Magyar)」です。
面積 : 9.3万ku(日本の4分の1)
人口 : 1007万人(2006年)
人種 : ハンガリー人
言語 : ハンガリー語
宗教 : カトリック(6割)、プロテスタント・カルバン派(2割)
《気候》
温暖な春秋、暑い夏、寒さが厳しい乾燥した冬という大陸性の気候です。降水は少ないですが、年間を通じてあります。
《時差》
日本標準時 − 8時間です。
3月最終日曜日〜10月最終土曜日はサマータイムで 日本標準時 − 7時間 となります。
《アクセス》
日本からの直行便はなく、ブダペストまでウィーンから50分前後、ヘルシンキから2時間20分です。
《ビザとパスポート》
ビザは観光で90日以内の滞在なら不要です。
パスポートは残存有効期間が入国時に6ヶ月以上必要です。
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★世界遺産
・ガイド中の距離記述は、管理人が地図から求めた直線距離です。
ハンガリー中北部、ドナウ川の両岸に広がる人口180万人の首都で、西岸の丘が多い”ブダ”地区と、東岸の平坦な”ペスト(ペシュト)”地区に大きくは分かれます。
14世紀から中心は王宮が置かれたブダ地区でしたが、18世紀からは行政組織の置かれたペスト地区の人口が急増し、19世紀世紀中葉にオーストリアから自治権を獲得して両地区は1873年に合併してブダペストとなりました。ドナウ川沿いの地域と、ブダ地域が世界遺産に登録されています。
ブダペスト中心部の地図
ドナウ川西岸、ブダ地区の高さ60mほどの丘の上に建つ宮殿です。
13世紀に建設されたネオバロック様式の建物で、第二次大戦で破壊されて戦後に再建されました。
内部は、歴史博物館、国立美術館、医学歴史博物館、国立図書館が入り、膨大な展示資料や美術品が収蔵されています。
王宮の北0.5km、王宮の丘にある教会です。
13世紀の創建で、16〜17世紀のオスマン・トルコ占領時代はモスクに改装されました。18世紀にバロック様式で修復され、その後1896年に当初のゴシック様式に改修されました。
高さ88mの尖塔は、15世紀にマーチャーシュ1世が建造したものです。
歴代王の戴冠式が行われた教会です。
マーチャーシュ教会に隣接して建つ、ネオ・ロマネスク様式の白い砦です。
1902年にハンガリー建国1000年を記念して王宮を囲む城壁の上に建てられたものです。
ハンガリー7部族を象徴する7つの塔があり、内部はレストランやワインバーなどがあります。
展望台からの眺めが良いブダペストでも人気のスポットです。
王宮の東麓、ドナウ川にかかる橋です。
1849年に建造されたブダペスト最古の橋で、建造以前はブダとペストの間は渡し船しかありませんでした。第二次大戦で破壊されて、戦後に再建されています。
2つの石塔とワイヤーで支える吊橋で、長さは370m、幅16mあります。
セーチェニーくさり橋の東0.7kmにある広場で、地下鉄路線も集中するペスト地区の中心地です。
周辺には、19世紀の美しい建物で活気に満ちた「中央市場(Kozponti Vasarcsarnok)」や、1859年創建のユダヤ寺院「シナゴーグ(Zsinagoga)」などがあります。
中央広場の北にある市最大の大聖堂です。
1851年に着工して1905年に完成したネオ・ルネサンス様式の教会で、高さ96mのドームと尖塔があります。
堂内には初代ハンガリー王イシュトバーンの右手首のミイラが安置されています。
セーチェニーくさり橋の北1km、ドナウ川東岸の河畔に建つネオ・ゴシック様式の議事堂です。
1904年に完成したもので、壮麗な外観だけでなく内部も豪華な造りになっています。
長さは268m、奥行き118m、高さ96mという堂々とした姿は、対岸のブダ地区からも眺めることができます。
セーチェニーくさり橋の北東3km、広大な「市民公園(Varosliget)」の入り口に当たる位置にある広場です。
19世紀末の建国1000年を記念して造られました。
中央に高さ36mの塔があり、その頂上に天使ガブリエル像、下に7人のハンガリーの族長の騎馬像や歴代王の像が並びます。
英雄広場の東側に広がる南北2km、東西1kmほどの公園です。緑あふれる市民の憩いの場で、中には動物園や共同浴場もあります。
池に浮かぶ島には、1986年の建国1000年記念にハンガリー国内の美しい建物の様式を集めて造られた「バイダフニャド城(Vajdahunyad Vara)」があります。
セーチェニーくさり橋の北2km,にあるドナウ川の中洲の島です。
幅500m、長さ2.5kmあり、全体が市内で最も美しいといわれる公園になっています。
中世の教会や修道院、バラ園や日本庭園などもあります。
ブダ地区の北10km、オーブダ地区(Obuda)にある古代ローマ遺跡です。
2〜4世紀頃、ローマ帝国のパンノニア州の都があった地で、ブダペストの起原となる場所です。
巨大な円形劇場をはじめ、神殿、浴場、住居などが残り、当時の道路網や水道設備なども残っています。
出土品は近くの「アクインクム博物館」に収められています。
ブダペスト北東25kmの町ゲデレーにある国内最大のバロック宮殿です。
1720年に建造されたハプスブルク家の宮殿で、ナポレオン侵攻の際は隠れ家にもなりました。
19世紀後半には皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妻エリザベート妃が好んで過ごした宮殿です。
現在は博物館になっています。
ハンガリーとスロバキア国境を東へ向いて流れてきたドナウ川は、ハンガリーへ入ったところで、南に方向を変え、約30km下ってブダペスト市内を流れます。
この流域はハンガリーでも景観に優れた地域で、いくつもの歴史遺産をかかえた小さな町が点在します。
日本では「ドナウの曲がり角」を英語訳した「ドナウベンド」と呼んでいますが、現地語は「ドゥナカニャル」と言います。
ブダペストの北20km、南下するドナウ川の西岸にある町です。
14〜17世紀にセルビア人がオスマントルコの支配を避けて定住した町で、旧市街には当時に建造された4つのセルビア教会が残っています。
文化財に指定された建物も多く残り、美術館やギャラリーも点在します。
ブダペストからも近い人気の町です。
センテンドレの北西20km、東へ流れるドナウ川の南側にある小さな町です。
高さ315mの丘の上に13世紀に築かれた要塞が残り、ここから風光明媚なドナウ川の景色が眺められます。
また麓には、14世紀に置かれ、オスマントルコの侵攻や独立戦争で完全に破壊され、”華麗だった”と伝えられる王宮の遺跡があり、現在も発掘調査が続けられています。
ビシェグラードの西20km、ドナウ川南岸でスロバキアとの国境にある町で、初代国王イシュトバーンの生誕地です。
町の丘の上には、11世紀にイシュトバーンが創建し、19世紀に再建された国内最大規模の「大聖堂」があります。
高さ100mのドームを持ち、宝物館や礼拝堂など多くの見所があります。
町自体も中世の雰囲気を色濃く残しています。
ブダペストの北東60km、山間部にある小さな村です。
19世紀の家屋が多く保存され、少数民族の伝統文化が守られて民族衣装を着た村民も見ることができます。
丘の上には13世紀にモンゴル軍の来襲に備えて築かれた要塞も残っています。
村としては初めて世界遺産に登録され、現在はかなり観光地化が進んでいるということです。
ブダペスト北東120km、高原にある美しい古都です。
13世紀後半に建設された「エゲル城」は、1552年に4万ものトルコ軍にわずか2千人の兵士で守ったという要塞で、時の城主ドボー・イシュトバーンは国民的な英雄となっています。
市内には国内第2の規模を誇る「大聖堂」をはじめとする教会が多くあり、博物館などもあります。
オスマン・トルコ時代の高さ40mの塔「ミナレット」もスポットです。
ワインの産地でもあり、「雄牛の血」という赤ワインが名物です。
エゲルの東90km、高原にあるワイン産地です。
千年以上もワイン作りが続いており、ブドウ畑やワイナリーが点在する景観は世界遺産に登録されています。
フランス王ルイ14世が絶賛したという貴腐ワインを産する名産地です。
エゲルの北50km、スロバキア国境にあるヨーロッパ最大の鍾乳洞です。
周辺はカルスト地帯で、最大洞のバラドラ洞(Baradla)は総延長25kmあり、スロバキアまで続いています。
約1km程度をガイドツアーで見学することができます。
ブダペストの東150km、”プスタ(Puszta)”と呼ばれるヨーロッパ最大の平原にある国立公園です。見渡す限りの大地に荒地や草原が広がり、沼地や湖も点在します。
多くの生物が生息し、当地原産の「灰色牛」やらせん状の角を持つ羊「ラツカ」などを見ることができます。
中心部にある町ホルトバージにインフォーメーション・センターがあり、幌馬車に乗って野生動物を見るツアーが出ています。
ブダペストの西100km、小さな町パンノンハルマ(Pannonhalma)の東の丘にある修道院です。
10世紀に建造され、現在も修道士たちが共同生活をしており、ハンガリーのべネディクト派の総本山になっています。
多くの時代の建物が混在し、華麗なフレスコ画も見ることができます。特にヨーロッパでも有数の35万冊を収蔵する図書館が見所となっています。
1996年には当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が訪れています。
ブダペスト南南西160km、人口17万人のハンガリー南部の古都です。
紀元前2世紀にローマ帝国によって拓かれ、16世紀以後オスマン・トルコ支配となったため、アラブの雰囲気を色濃く残す町です。
中心の「セーチェニイ広場(Szechenyi Ter)」のそばに、丸いドームの「旧ガージ・カシム・バシャ・モスク」が建ち、他にも教会やモスク、ユダヤ教会なども点在します。
「大聖堂」のそばからは、4世紀の「初期キリスト教の礼拝堂★」が発掘され、これが世界遺産になっています。
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