スペインは、ヨーロッパの南西部、イベリア半島の大部分を占める国です。
古くはローマ帝国、8〜11世紀にはイスラム王朝の支配になりましたが、以後カスティリア王朝からイスパニア王国と発展し、16世紀にはハプスブルクの全盛時代となり、中南米に多くの植民地を作りました。無敵艦隊がイギリスに敗れてから衰退し、18世紀以後はほぼ現在の領土に落ち着き、1939〜1975年のフランコ総統による独裁政権を除くと、王国の体制を維持しています。
国土は、北東はピレネー、北はカンタブリカ、南はシエラモレラとシエラネバダの山脈があり、はさまれた中央部は標高600〜800mほどの乾燥した高原地帯という地形になっています。
太陽の国、情熱の国、フラメンコ、闘牛・・・とすぐにイメージが浮かびますが、歴史や民族構成からも一言では言い尽くせない多様な魅力を持っています。
このページでは首都マドリードを中心とするスペイン中央部を紹介します。
面積 : 50万ku(日本の1.3倍)
人口 : 4439万人(2006年)
人種 : スペイン人(7割)、カタルーニャ人(1.5割)、ガリシア人(1割)
言語 : スペイン語(公用語)
宗教 : カトリック
《気候》
全般には温帯ですが、中央部は大陸性で寒暑の差が大きく、地中海沿岸は夏暑くて乾燥、冬は温暖です。
北部大西洋岸は夏は涼しく冬温暖な気候です。
《時差》
日本標準時 − 8時間です。
3月最終日曜日〜10月最終土曜日は 日本標準時 − 7時間 になります。
《アクセス》
マドリードまで成田空港からアムステルダム経由で16時間30分です。
バルセロナまで成田空港からアムステルダム経由で15時間50分です。
《ビザとパスポート》
ビザは観光で90日以内の滞在なら不要です。
パスポートは残存期間が帰国時まであることが必要です。
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★世界遺産
・ガイド中の距離記述は、管理人が地図から求めた直線距離です。
スペイン中央部、標高650mほどにある人口300万人の首都です。16世紀に町が築かれて以来発展し、その当時からスペインの首都となっています。
アラブの影響を残す中世の建物から、ハプスブルク、ブルボンと続く王朝時代の建物、そして現代の建物が町に混在しています。
なおスペイン語では語尾の"d"はほとんど発音しないため現地では「マドリー」と聞こえます(アクセントは「リ」)。
マドリードの地図
マドリードの中心にある広場です。「太陽の門」の意で、15世紀にがその名の門がありましたが現在は名残はなく、マドリードのシンボルの「熊とマドローニョの木」の像があります。
スペインの主要道路の起点でもあり、ここから放射状に主要道路が延びています。
市内の主な観光地はここから歩いて20分以内で行くことができます。
プエルタ・デル・ソル広場の西にある広場です。
南北約90m、東西約120mの長方形で、中央にフェリペ3世像が立ち、四方は1619年に完成した4階建ての建物が建物が囲んでいます。
かつては王室行事や闘牛、宗教裁判の処刑までここで行われ、周りの建物のバルコニーが観客席になったといわれます。
現在はカフェやレストランなどが軒を連ね、日曜には切手市や古銭市が開かれます。
マヨール広場の南にあるバロック様式の教会です。マドリードの守護聖人サン・イシドロを祀っています。
長く大司教区がトレドにあったため、アルムデナ大聖堂が造られるまでのマドリードの中心的な教会でした。
マヨール広場の西にある壮大な宮殿です。
かつてイスラムの砦があった地に、1764年のカルロス3世時代に創建したルネサンス様式とネオ・クラシック様式の融合した建物で、130m四方で約2800の部屋があり、周りに広大な庭園があります。
国王は現在郊外のサルスエラ宮殿に住んでいるため、内部は一部公開されています。
ヨーロッパ屈指の豪華さを誇り、内装やタペストリー、絵画などにかつての王族の生活が偲ばれます。
王宮の南にあるバロック様式の聖堂です。マドリードの守護聖母アルムデナが祀られ、1883年に着工して1993年にようやく完成しました。
王宮庭園を背景に白い建物が美しい景色を見せています。
2004年3月のマドリード列車爆破テロ犠牲者の国家葬がここで行われています。
王宮の北にある近代的ビジネス街の中にある広場です。
中央に文豪セルバンテスの没後300年を記念して建てられたモニュメントがあります。ドン・キホーテとサンチョ・パンサをセルバンテスが上から見守る構図がおかしさを誘います。
スペイン広場から南東方向に約1.5km続くマドリード随一の繁華街です。
デパートや専門店、レストラン、ホテルなどが建ち並んでいます。
プエルタ・デル・ソル広場の東南東1kmにある世界第一級の美術館です。
1819年の開館で、歴代王家のコレクション8千点以上を収蔵します。
展示の中心は、ベラスケス、ゴヤ、エル・グレコなどスペインを代表する画家の作品で、著名な名作を数多く見ることができます。
プラド美術館の北西向かいにある美術館です。
ティッセン・ボルネミッサ男爵のコレクション約800点を展示するもので、中世から現代までの作品を年代順に鑑賞できます。
プラド美術館の南西0.6kmにある美術館です。
広大な建物にピカソ、ミロ、ダリなど、1万点以上の20世紀以後の現代美術を収蔵しています。
特に、ピカソが1937年に戦争への怒りをこめて描いた大作「ゲルニカ」が大きな見所となっています。
プラド美術館の東に広がる広大な公園です。かつての王室庭園で、敷地の西側にはかつての宮殿の一部が残っています。
公園に隣接して、1781年にカルロス3世の命で造られた「植物園(Jardin Botanico)」があります。
プラド美術館の北1kmにある博物館です。
1867年の開館で、旧石器時代から18世紀までのスペインの歴史的遺物を中心に膨大な数の収蔵品があります。
「アルタミラ洞窟」の精巧なレプリカが見所になっています。
マドリードの西北西50km、標高1000mの小さな町、エル・エスコリアル(El Escorial)にある、16世紀にフェリペ2世が建造した修道院兼宮殿です。
花崗岩を使った長さ約200m、幅160mの規模の建物で、礼拝堂は歴代の王が眠る廟があり、天井はフレスコ画で飾られ、巨大な祭壇もあります。
宮殿部分にも豪華な装飾が施され、充実した絵画コレクションも見ることができます。
マドリードの東30kmの町です。
1498年にアルカラ大学が設置されてから発展しました。当時からの校舎は、尖塔や回廊、庭園、講堂など歴史的価値が高いもので見所の一つです。
また、旧市街には、大聖堂、司教館などの中世の建物が残ります。
文豪セルバンテスの生地であり、生家は博物館となっています。
大学と旧市街が世界遺産に登録されています。
マドリードの南50kmにある町です。
市街の北、タホ川(Rio Tajo)のほとりに、16世紀にフェリペ2世が夏の離宮として建設した「王宮(Palacio Real)」があります。
度重なる修復にもかかわらず均整の取れた姿を見せており、内部には部屋全体が陶器で飾られた「陶器の間」をはじめ、「王座の間」、「衣装博物館」などがあります。
周りには広大な庭園が広がり、園内には狩猟の館で質素な外観ながら内装は豪華な小宮殿「農夫の家(Casa del Labrador)」があります。
また、王宮周辺には教会や修道院などがあり、全体が世界遺産に登録されています。
なお、ロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」はこの宮殿の印象をもとに作られたものです。
アランフェスの北東20kmにある村です。
中心の「マヨール広場(Plaza Mayor)」は、周囲を古い2〜3階建ての木造の建物が囲み、古い時代のスペインの風情を残しています。
広場では祭りの時に闘牛が行われ、テラスが観客席になります。
近くの「パロキアル教会(Iglesia Parroquial)」は、ゴヤ作の「聖母昇天」があることで知られています。
また独特の香りと味を持つアニス酒の産地としても有名です。
マドリードの東から南にかけてスペイン中央部の大半を占める広大な地域です。雨が少なくて風が強く、乾いた大地がどこまでも続き、手付かずの自然が多く残されています。大きな街はなく、小さな村々が点在する地域です。
セルバンテスの名作「ドン・キホーテ」の舞台となった地で、村々には、ドン・キホーテが突撃したという風車があります。
マドリードの南南西70kmにある人口6万人の古都です。
紀元前2世紀のローマ支配に始まり、5世紀には西ゴートの都となりましたが、8世紀にイスラムのウマイヤ朝の支配となりました。しかし、1085年にキリスト教徒の国土回復戦争(レコンキスタ)の勝利でスペインの首都になり、1561年のマドリード遷都までスペインの中心地を担いました。
東、南、西をタホ川が流れ、丘の上にある町は中世の城壁が囲んでいます。町の景観を保護する政策で、古い街並みがよく残されています。
トレドの地図 : 上部のサムネイルをクリックすると拡大します。
旧市街の中心にあるスペイン・カトリック教会の総本山の聖堂です。13世紀のフェルナンド3世の時期に着工し、完成まで3世紀を費やしています。
高さ90mの鐘楼は町のランドマークとして建ち、中央の礼拝堂内にはゴシック様式の彩色彫刻が施された祭壇があります。周りには22の礼拝堂が並んでいます。
付属の絵画館にはエル・グレコやゴヤなどの絵画が所蔵されています。
旧市街の東寄り、丘の頂上にある11世紀頃に造られた要塞で、四角い柱のような尖塔が四隅に立つ赤い屋根の堅牢な建物です。大聖堂とともに遠方からでもよく目立ちます。
最初の統治者はサラセン帝国と戦った武将エル・シドで、近年では1936年に市民戦争でフランコ軍が立てこもった場所として知られています。
内部は「市民戦争博物館(Museo del Ejercito)」になっています。
アルカサルの西1kmにある、クレタ島出身の17世紀の画家エル・グレコが35歳から亡くなるまでの約40年間過ごした家です。
死後に地元の貴族が修復し、市に寄付されたもので、当時の家具や調度品がそのまま公開されています。グレコ本人の作品も展示されています。
マドリードの東南東150kmにある町です。
新市街の北部にある旧市街は、数百m平行して流れる2本の川の間にあり、それぞれの川が深い谷を刻んで断崖絶壁となっていて、町は間の険しい地形の上に築かれて坂道や狭い路地が入り組んでいます。
特に3〜4階建て石造りの中世の建物が川の崖からせり出すように密集して建っているのが特徴です。
「宙吊りの家(Casas Colgadas)」は崖から乗り出すように建てられた14世紀の建物で、美術館やレストランが入っており、崖下から見るとまさに「中吊り」に見える有名なスポットです。
マドリードの北西80kmにある人口5万5千人の町です。古代ローマ時代から栄え、イスラム時代は織物の産地、15世紀にイサベル・ラ・カトリカ女王が戴冠式を当地で行って黄金時代を迎えました。
城壁で囲まれた旧市街には多くの寺院や要塞など各時代の遺物が多く残り、全体が世界遺産に登録されています。
旧市街の中央にある大聖堂です。1525年に着工し1768年に完成し、スペイン最後のゴシック様式の建築となっています。
気品のある外観から「カテドラルの貴婦人」と呼ばれています。
内部には多くの絵画や彫刻、彫像があります。
旧市街の東にあるローマ時代の1〜2世紀頃に造られた水道橋です。
全長728mで2層になっており、一番高いところで約30mの高さがあります。1906年までは実際に水の供給に使われていました。
接着剤を使わずに花崗岩を積み重ねただけのもので、当時の高度な土木技術が伺えます。
旧市街の西端の高台にある城塞です。11世紀末に造られたのが最初で、13〜15世紀にエンリケ2世が再建したものです。
内部は中世の武器や家具を展示する博物館になっています。
尖塔をいくつも持つ姿はまさに西洋の城のイメージにぴったりで、ディズニーが「白雪姫」のモデルに使ったといわれています。
マドリードの西北西100km、標高1130mにある人口5万人弱の町で、スペインでは最も高い位置にある町です。
11世紀にイスラムに対抗するため造られた要塞都市で、城壁に囲まれた旧市街に歴史的建造物が多くあります。また、城壁内の限られた土地に造りきれない建造物が城壁の外にもあり、これらを含めて世界遺産に登録されています。
内陸の高地で、夏でも朝晩は冷え込み、冬はかなり寒い地ですから観光は服装に注意が必要です。
旧市街を囲む城壁です。全長2.5kmあり、高さ12m、幅3mで、88の塔と9つの門があります。
一部はローマ時代の名残りといわれ、現在のものは11世紀末に造られたものです。
旧市街の東寄り、城壁の一部のように建つ大聖堂です。12世紀に着工して14世紀の完成したもので、ロマネスクとゴシックの様式を併せ持ちます。
要塞の役目を果たしたため外観は無骨ですが、内部は教会の雰囲気で、多くの美術品を所蔵しています。
旧市街にある聖テレジア(サンタ・テレサ)の生家が修道院となっている建物です。
聖テレジアは1515年の生まれで、カトリック内部の改革を行い、冬でも裸足で修行する「裸足のカルメル会」を作り、アビラにいくつもの修道院を建てています。
今も市民から崇拝を受け、ゆかりのスポットが至る所にあります。
旧市街にある教会です。聖ビセンテが4世紀に殉教したと伝えられる地に11〜13世紀に建てられたもので、西の入口はロマネスク様式の傑作とされています。
旧市街の西の郊外にある地です。
「4本の柱」という名前の通り4本の柱が立つだけの場所ですが、城壁を含む旧市街を眺めるのにいい場所として知られています。
マドリードの西北西180kmにある町です。1218年にスペイン最古のサラマンカ大学が設置されて以後、現在に至るまで学問の中心地となっています。
旧市街には大学の他に中世の美しい建物が多く点在します。
サラマンカの地図 : 地図上にカーソルを持っていくと、観光スポット名が表示されます。
旧市街の中心部にある広場です。18世紀に造られ、バロック様式の建物に囲まれた広い広場で、規模、美しさの両面でスペイン屈指といわれています。
回廊を支える柱には、歴代国王やコロンブス、セルバンテスなどの肖像が彫刻されています。
マヨール広場の南にある建物です。15世紀に造られたゴシック様式の建物で、外壁に400個ものホタテ貝の装飾が施されています。
聖地サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼者の保護や聖地防衛に当たったサンティアゴ騎士団の騎士の邸宅だったため、聖地のシンボルであるホタテ貝を装飾したものです。
マヨール広場の南0.5kmにあるスペイン最古の大学です。
創設は1218年で、正面の1534年に造られたファサードはプラテレスコ様式の傑作といわれ、緻密なレリーフが施されています。
当時造られた教室が残されていますが、現在の講義は別の建物で行われているとのことです。
大学入口の門のドクロにへばりついたカエルの彫刻を見つけると試験に合格できるといわれています。
サラマンカ大学の南東にある聖堂です。
12世紀創建のロマネスク様式の旧聖堂と、16〜18世紀に建てられたゴシック様式の新聖堂が並んで建っています。
新聖堂は壮大な5連アーチの正面玄関を持ち、日本の岐阜県の技師が修復、調律したというパイプオルガンがあります。
カテドラルの東にある修道院です。
1525年に着工し、1618年に完成したもので、プラテレスコ様式のファサードや、1692年に造られたホセ・チュリゲラ作の祭壇衝立が見所です。
マドリードの南西190kmの小さな村グアダルペ(Guadalupe)にある修道院です。
714年に埋められた聖ルカが彫ったというマリア像を、1320年に一人の羊飼いが発見し、時の王アルフォンソ11世がこの像への祈願してイスラムを撃破したために修道院を建設したものです。
要塞のような外観ですが、内部にはそのマリア像がある聖堂があり、回廊に沿って刺繍美術館や絵画彫刻展示室などがあります。
マドリードの西南西270kmにある人口7万人余の町です。
ローマ時代から建設が始まった古い町で、中世に造られた城壁に囲まれた旧市街は、13世紀以後キリスト教徒が造った街並みがそのまま残っています。
数ある歴史的都市の中でも、特に歴史的建造物が多く残る町とされています。
町の中心に16世紀のゴシック様式の大聖堂があり、宮殿や貴族の館、教会などが当時の姿のまま見ることができます。
カセレスの南70kmにある人口4万人の町です。
紀元前25年にローマ帝国の属州の首都として建設された町で、ローマ遺跡が残るスペインの代表的な町です。
6千人収容の「ローマ劇場」、1万4千人収容の「円形競技場」、全長792mの「ローマ橋」などの他、神殿や水道橋などが残っています。
スペイン地中海岸の中央部にある、人口75万人のスペイン第3の都市です。温暖な地中海性気候でオレンジの産地として有名で、市内の街路樹にもオレンジがあります。また米の産地でもあり、パエリャの発祥地でもあります。
8世紀からイスラムの支配下でしたが、1094年に英雄エル・シドがこの地で破ってキリスト教を奪回したのが歴史に残っています。
大きな街ですが、中心の旧市街は比較的に狭く、観光スポットはここに集まっています。なお、毎年3月19日の夜中に数百の張子人形を焼き払う「サン・ホセの火祭り」は国際的に有名です。
旧市街にある聖堂です。13〜14世紀にイスラム・モスクの跡に造られたもので、以後増改築が重ねられてさまざまな建築様式が混在しています。
礼拝堂にはキリストが弟子たちと最後の晩餐に使ったといわれているメノウ製の聖杯があります。
また正面入口近くには高さ51mの八角形の塔「ミゲレテの塔(El Miguelete)」があり、頂上から市街を一望できます。
カテドラルの西にある15世紀のゴシック様式の建物です。絹の取引所として造られ、中央に立会い場だった大広間があります。
ここにはらせん模様の柱が何本も立ち、天井に向かってヤシの葉が広がるように美しい模様を作っています。
日曜日には切手や古銭の市が開かれます。
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