スペインの南部一帯はアンダルシア地方(Andalucia)と呼ばれ、8世紀にウマイヤ朝に征服され、15世紀までイスラムの支配を受けました。
イスラム支配は「レコンキスタ」というキリスト教徒による支配の奪還活動で終了し、結果としてイスラムとヨーロッパの交錯した風土ができあがりました。
名物のフラメンコや闘牛はアンダルシア地方の発祥で、まさしくスペインのイメージが凝縮している地域です。
このページでは、アンダルシア地方を中心とするスペイン南部と、大西洋に浮かぶスペイン領の島々を紹介します。
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★世界遺産
・ガイド中の距離記述は、管理人が地図から求めた直線距離です。
スペイン南西部、人口70万人のアンダルシア(Andalicia)地方の中心地です。711年から1248年までイスラム支配を受け、アンダルシア地方の他の町と同様にその影響が強く残っています。
主なスポットは市内を流れるグアダルキビール川(Rio Guadarquivir)沿いの中心部に集まっています。闘牛、フラメンコの本場で、「セビリアの理髪師」、「カルメン」といったオペラの舞台として、また航海王コロンブスの生地としてもよく知られています。
1992年に万国博覧会を開催し、高速道路や高速鉄道などの都市基盤が急速に整備されました。
なお地名ですが、"LL"はヤとジャの中間音で「セビージャ」または「セビーヤ」が近く、「セビリア」とは発音しません。
セビーヤ中心部の地図
市街の中心部にあるカトリック大聖堂です。
幅76m、奥行き116mで、ローマ・バチカンのサンピエトロ寺院、ロンドンのセントポール寺院に次ぐ世界に3番目の規模を誇ります。
イスラム支配の終焉により、モスクをカテドラルに変えたのが最初で、その後1403年から125年間かけて建て直しが行われたものです。そのためゴシック、ネオ・ゴシック、ルネサンスの様式が混在しています。
中央礼拝堂には世界最大の木製祭壇や、スペイン4王の像に担がれた航海王コロンブスの棺があります。
カテドラルの東側に建つ高さ98mの四角い塔です。
12世紀末に建てられたイスラムのミナレットで、モスク取り壊しの際にこれだけ鐘楼として残されたものです。
高さ70mのところに展望台があり、階段ではなく緩やかなスロープで登るようになっています。
カテドラルの南にあるルネサンス様式の建物です。
1572年に世界のスペイン植民地との交易を一括して行う取引所だったところで、1781年公文書館を設置したものです。
1階が公文書館、2階が展示室になっており、大陸発見の経緯や支配の記録、マゼラン、コロンブス、コルテス、ピサロなどの自筆文書など貴重なものが多数あります。
カテドラルの南東にある城塞です。
8世紀に造られたイスラム王家の要塞を、イスラムからの奪回後の14世紀にペドロ1世がグラナダの建築家に建てさせたものです。
透かし模様やアラベスク模様などイスラムの影響の強いムデハル様式で、「大使の間」、「天井の間」などの金を基調とした内装や、アルハンブラ宮殿と比せられる中庭の「乙女のパティオ」などの見所があります。
カテドラルの南1km、マリア・ルイサ公園(Parque de Maria Luisa)の中にある広場です。
1929年のスペイン・アメリカ博覧会の会場として造られ、半円形の広場の周りをイスラム様式の建物が囲み、スペインの地理や歴史を描いた絵タイルが貼られています。
セビーヤの東北東120kmの町で、セビーヤも流れるグアダルキビール川(Rio Guadarquivir)が市街中心部の南を流れます。
8世紀からイスラム統治の都として栄え、最盛期には人口100万人に迫る大都市で、300ものモスクが造られ、大学も設置される学問の中心地でもありました。現在は30万人ほどの町ですが、当時の遺物が今も多く残っています。
コルドバの地図
旧市街の中心部、グアダルキビール川の近くにあるイスラム寺院です。
785年にラーマン1世がキリスト教会の跡地に建設したもので、当時の世界最大のモスクとなりました。キリスト教徒奪回後は、13〜16世紀にかけて再度キリスト教会に改修されました。
850本の大理石の柱や、独特の赤白の縞模様に塗られたアーチなどの見所があります。
メスキータの南にある14世紀に建てられた城塞です。アルフォンソ11世が、イスラム勢力の最後の砦であるグラナダを征服するための居城としたものです。
現在はいくつかの広間ち中庭、庭園などが残る程度で、広間には大理石の棺やモザイク画が展示されています。
コロンブスが新大陸への航海の計画を携えて謁見した場所としても知られています。
メスキータの北西にある地区です。狭い石畳の通りの両側に白壁の家々が密集し、住民が壁に多くの花の鉢を飾るきれいな通りが続き、「花の小径」とも呼ばれています。
住宅は「パティオ」という中庭があり、美しく造りこまれた庭園を垣間見ることができます。
メスキータの北西にある広場です。「ポトロ」はコルドバの紋章にもなっている「子馬」の意で、広場の中央に子馬の像がある噴水があります。
広場に面する「宿屋ポトロ(Posada del Potro)」は、かつて文豪セルバンテスも泊まったという15世紀からの宿屋でしたが、現在は国営の民芸品店となっています。
ポトロ広場の北にある美術館です。
20世紀初めに活躍した独特の作風を持つ当地出身の画家フリオ・ロメロ・デ・トーレスの作品を中心に、スペインの画家の作品を展示しています。
セビーヤの東220km、シエラ・ネバダ山脈の西麓にある人口25万人の町です。
8世紀からイスラム支配が続き、1235〜1492年の約2世紀半、ヨーロッパにおける最後のイスラム国家「ナスル朝グラナダ王国」の都でした。他の町以上に当時のイスラムの名残を伝えている町です。
グラナダ中心部の地図
市街中心部にある大聖堂です。
キリスト教徒の奪還後、大モスク跡に1518年からゴシック様式で聖堂建設が始まり、設計変更を繰り返して1704年に工事を終えました。
しかし未完のままの塔も残っています。ゴシックの他、ルネサンスやムデハルなど多くの建築様式が混在しています。中央礼拝堂には黄金のきらびやかな祭壇があります。
カテドラルに隣接するゴシック様式の礼拝堂です。
1517年に完成し、中央にカスティリア国女王イサベラと、夫でアラゴン国王のフェルナンドの両カトリック国王の墓があります。また両者の次女フアナ夫婦の墓もあります。
4人の墓は大理石に美しい彫刻が施されて黄金の格子に守られています。地下室には4人の棺が安置されています。
カテドラルの東1kmの高台にあるナスル朝の13〜14世紀に建てられたスペイン・イスラム芸術の粋を集めた華麗な宮殿です。その美しさのゆえにキリスト教徒の破壊を免れたということです。
アラブ語で「赤い城」の意で、ピンク色の城壁や銃眼付きの塔の色などから付いたものです。
入口の東に城塞跡の「アルカサバ(Alcazaba)」があり、その奥に中心となる「王宮(Palacio Real)」と、キリスト教徒奪還後の16世紀に建てられた「カルロス5世宮殿(Palacio de Carlos V)」があります。
「アルカサバ」は、宮殿内で最も古い13世紀に造られ、「ベラの塔(Torre de la Vela)」を残して廃墟となっています。
「宮殿」には、”モカラベ”という円天井、絵タイルの壁、やアラベスク模様の床装飾などのアラブ建築芸術の極致があります。「メスアールの間(Sala del Mexuar)」、「大使の間(Salon de Embajadores)」、「二姉妹の間(Sala de las Dos Hermanas)」などの部屋を見ることができます。最も有名な「ライオンの中庭(Patio de los Leones)」は12頭のライオンの支える噴水があり、124本の大理石の柱が並ぶ回廊に囲まれています。
「カルロス5世宮殿」は、「アルハンブラ美術館(Museo de la Alhambra)」、「県立美術館(Museo de Bellas de Artes)」になっています。
アルハンブラ宮殿の東に隣接する王家の夏の離宮です。
14世紀初めに造られ、糸杉の森や美しい庭園に囲まれ、池や噴水など水をふんだんに使った造りがされています。
ここからアルハンブラ宮殿全体が見渡せます。
アルハンブラ宮殿から川をはさんで北側に広がる丘にあるイスラム教徒の町です。
イスラム教徒が最初に砦を築いた地で、現在も石畳の狭い路地が迷路のように走り、白壁の家々が密集しています。
「サン・ニコラス教会(Mirador de San Nicolás)」の広場から見るアルハンブラ宮殿の全景は必見といわれます。
アルバイシンの東2kmにある丘です。ジプシーが定住し、かつての横穴式洞窟住居跡がいくつも残っています。
現在は洞穴住居でのフラメンコ・ショーが観光の中心となっています。
スペインの南岸、東はアルメリア(Almería)、西はアルヘシラス(Algeciras)に至る地中海に臨む300kmの海岸線です。
「太陽の海岸」の意で、年間300日を越える晴天と温暖な気候で、ヨーロッパ有数のリゾート地となっています。
中央部のマラガをはじめいくつものリゾート・タウンが点在します。
セビーヤの南東170km、コスタ・デル・ソルの中央部にある人口50万人の町です。紀元前からの古い歴史を持ち、町には史跡が多く残ります。
旧市街には19世紀の「カテドラル(Catedral)」があり、町の東の高台には14世紀のイスラム時代の城塞跡「ヒブラルファロ城(Gibralfaro)」があります。
また当地は画家ピカソの生地で、市内にはピカソの生家で博物館となっている「ピカソの生家博物館(Museo Casa Natal de Picasso)」や、ピカソの親族が寄贈した作品を中心に展示する「マラガ・ピカソ美術館(Museo Picasso Málaga)」があります。
町にはリゾート・ビーチはなく、コスタ・デル・ソル各地への玄関口となっています。
マラガ中心部の地図
マラガの南西20kmにあるコスタ・デル・ソルの中心的リソート地です。
中心の「コスト・デル・ソル広場」から南東に延びる「サン・ミゲル通り(San Miguel)」がメインストリートで、ブティックやレストランなどが並び、その先にビーチが広がっています。
トレモリーノス西15kmの内陸にある小さな村です。独特の白い壁の家が並び、最もアンダルシア地方らしい景観といわれています。
国内でも珍しい四角の闘牛場があり、村はずれの展望台からは地中海が眺められます。
村の観光ができる「ロバのタクシー(Burro Taxi)」が名物です。
マラガ南西50kmにある高級リゾート地です。海岸沿いに高級ホテルや別荘が並び、港には世界の大富豪のクルーザーが入ります。
市内にはカジノやショッピングセンターもあり長期滞在が可能です。
マルベージャ北西40kmの山間部にある町です。タホ谷という深い谷の両岸の断崖の上にアンダルシア地方独特の白い家々が集まっています。
谷にかかる「ヌエボ橋」からの眺めが名物です。
旧市街には古い宮殿や教会などが残り、中でも1785年に造られたスペイン最古の闘牛場が見所です。
バレンシア東方の地中海に浮かぶ島々です。
最大の島「マジョルカ島(Mallorca)」を中心に、北東の「メノルカ島(Menorca)」、南西の「イビサ島(Ibiza)」が主な島です。
年間の晴天日数も300日を越え、温暖な気候でいずれもリゾート・アイランドとなっており、欧州のサッカーチームが多数冬のキャンプ地としています。
自然環境に恵まれ、町には中世以後の歴史的建造物が残ります。
スペイン本土の南西1800km余り、モロッコ西方沖の大西洋に浮かぶ火山諸島です。
平均気温が夏25度、冬18度の常春の気候で、近年リゾート地として注目されています。中心の島は「テネリフェ島(Tenerife)」です。
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