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時差に関する計算法

海外旅行では、日本との間で時差のある国がほとんどです。
現地に入る段階でも、日本に帰った段階でも時計を修正しないと、活動に支障をきたします。
他人任せにせず、時間の変換の考え方を身につけておきましょう。

時差の基本

地球は丸く、その表面上にさまざまな国が散らばっていますから、同じ時点で昼の国もあれば、夜の国もあります。

ただ概略的には、どの国も時刻というのは太陽が一番高いところにある時を1日の中心の正午とし、その前を12時間(午前)、後を12時間(午後)と決めています。
地球は自転するので、国ごとの正午のタイミングは東から西へ移動します。

地球は周囲360度(経度にあたります)を24時間で一回転しますから、360度 ÷ 24時間 = 15度 の経度のずれで1時間のずれができることになります。

地球の周囲を40000kmと定めたのがメートル法です。
それで、赤道付近では15度の経度というと 東西で約1667km、日本付近の北緯35度あたりだと15度は 東西約1360km くらいになります。
緯度が高くなると距離はドンドン短くなります。(1667kmに、緯度の三角関数の cos(コサイン)値をかけると出ます。)

日本で1時間の違いができるこの距離というのは、東京からだと那覇の西、宮古島あたりくらいになります。
ですから、東京の日の出が6時だったとしても、宮古島では6時ではまだ夜明けまで1時間あるということになります。

地球全体の標準時は、イギリスのロンドンの東、経度0度にあるグリニッジ天文台を基準として決められた「グリニッジ標準時 (Greenwich Mean Time, GMT)」です。

そして、各国が自国内で共通に使う「標準時」は、こことの差が原則1時間または30分単位となるように決められています。
日本では兵庫県の明石市で、東経135度上の時刻を「日本標準時 (Japan Standard Time, JST)」としています。
(135度 ÷ 15度 = 9。グリニッジ天文台からちょうど9時間ずれた位置にあるということです。)

ロシアやアメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルといった、東西に広大な国はさすがに1つの標準時では無理が生じるため、国内でいくつもの標準時を設定しています。

しかし中国も広大な国ですが、こちらは標準時は1つです。
首都の北京付近がグリニッジ標準時からのずれが適正な地域ですが、四川省付近では1時間、西域のウルムチ付近では2時間のずれができています。

また、インドも標準時が1つです。

さて「時差」は、このようにして決められた2つの国の間で生じる標準時の時間のずれをいいます。
海外旅行では時差の生じる国を移動する場合に、時計の補正が必要になります。

お隣の韓国は日本と時差がなくて便利ですが、明石から標準時で約30分程度ずれた位置にありますので、沖縄あたりの時間感覚(日の出、日の入りが遅い)と同じになります。

サマータイム

時差を計算する上でやっかいなのが「サマータイム夏時間)」です。

緯度の高い欧米では、夏の間は日本などに比べても、日の出が早く、日の入りが遅くなります。
そのため明るい時間帯を有効に活用するため、時刻を1時間早めてそれに合わせた生活を送るようにした制度です。
実際に時計の針も1時間進ませます。

最初にサマータイムを実施したのは、1916年のドイツとイギリスで、以後欧米を中心に採用されています。

韓国、中国、香港、台湾も一時期採用されたことがありますが廃止されました。

日本も戦後に4回ほど実施されたということですが、社会的な混乱を生じて廃止されました。
しかし最近、省エネや節電の対応策のひとつとして、サマータイムの導入議論がたまに出るようになっています。
ただ、長年の日本人の生活感覚に合わないと感じる人が大半で、積極的な導入の動きはないようです。

サマータイムの実施時期は国によって異なります。
また2007年のアメリカのように、国の事情で期間の変更が行われることもあります。

大雑把には、北半球で3月後半〜10月後半、南半球で9月後半〜3月後半くらいの期間がサマータイムとされていますので、実施する国々は結局1年のうちの半分くらいがサマータイムということになります。

ということで、時差計算上は、日本はサマータイムが現在ありませんので、目的地がサマータイムを実施中ならば、1時間という時間をプラス・マイナスすることになります。

現在サマータイムを実施している国は、ヨーロッパのほとんど全域、ロシア、トルコ、エジプト、アメリカ、カナダ、ブラジルの南部、オーストラリアの南部と南東部の州、ニュージーランドといったところです。

時差による時計合わせ

海外旅行に出かける際に、「時計をどうすればいいか」という観点でまとめてみます。
必要になるデータは、「日本との標準時の時差」、「相手国のサマータイム実施の有無」です。

「日本との標準時の時差」は西方向がマイナス、東方向がプラスになります。

マイナスというのは日本時間よりも時計が遅れている、プラスというのは時計が進んでいる時刻を示すということです。

日本から外国に向かうときの時計の操作

「日本との標準時の時差」の分、マイナスならば時計を遅らせ、プラスならば時計を進めます。

端的に言えば、西へ向かえば時計を戻し、東へ向かえば時計を進めます。

ただ、東へ向かう場合の計算は「日付変更線」までです。

ニュージーランドやフィジーなどはプラスの時間を示しますが、日付変更線を越えた北米、南米、ハワイ、タヒチなどは、アジア、ヨーロッパのさらに西に位置するマイナスの時間で計算します。
相手がサマータイムばらば、この時間から時計を1時間進めます。

フランスへ行く場合は、日本から時差が -8時間 なので、時計を8時間戻します。
ニュージーランドへ行く場合は、日本からの時差が +3時間 なので、時計を3時間進めます。
サマータイムならばそこからさらに1時間進めます。

ハワイへいく場合は、日本から時差が -19時間 なので、時計を19時間戻します。
日付のついてない時計なら面倒なので、24時間 − 19時間 = 5時間 針を進めてもOKです。

外国から日本に帰るときの時計の操作

「日本との標準時の時差」の分、マイナスならば時計を進め、プラスならば時計を遅らせます。

滞在国を基準にして、西へ向かえば時計を戻し、東へ向かえば時計を進めるという基本は変わりません。

西へ向かう場合の計算も「日付変更線」までなので、北米、南米、ハワイ、タヒチなどから日本にへ向かった場合も東へ向かう場合で計算します。

出発国がサマータイムならば、時計を1時間戻した上で、時差分の修正をします。

フランスから帰る場合は、日本から時差が -8時間 なので、時計を8時間進めます。
ニュージーランドから帰る場合は、日本からの時差が +3時間 なので、時計を3時間戻します。
サマータイムならば1時間遅らせた上で修正します。

ハワイから帰る場合は、日本から時差が -19時間 なので、時計を19時間進めます。
日付のついてない時計なら面倒なので、24時間 − 19時間 = 5時間 針を戻してもOKです。

主な国、地域の日本との時差一覧表

日本との標準時との差 主な国々
+3 ニュージーランド、フィジー
+2 ニューカレドニア
+1 グアム、オーストラリア東部、ロシアのウラジオストク
+0:30 オーストラリア中部
±0(日本と同じ) 韓国、パラオ
-1 中国、台湾、モンゴル、ロシアのイルクーツク
フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア中部(バリ島など)、
オーストラリア西部
-2 ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、インドネシア西部(ジャワ島など)
-2:30 ミャンマー
-3 ブータン
-3:15 ネパール
-3:30 インド、スリランカ
-4 ウズベキスタン、パキスタン、モルディブ
-5:30 イラン
-6 ケニア、タンザニア、マダガスカル、ロシアのモスクワ
-7 トルコ、エジプト、ギリシャ、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド、
バルト3国、
-8 ハンガリー、チェコ、ポーランド、オーストリア、イタリア、スイス、
ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、デンマーク、
ノルウェー、スウェーデン、チュニジア
-9 イギリス、アイルランド、アイスランド、ポルトガル、モロッコ
-12 ブラジル(リオデジャネイロ、サンパウロなど)、アルゼンチン
-13 カナダ東部
-14 ペルー、キューバ、ジャマイカ、アメリカ東部、カナダ中東部
-15 ガラパゴス諸島、イースター島、メキシコ東部、アメリカ中部、カナダ中部 
-16 アメリカ山岳部、カナダ山岳部、メキシコ中部
-17 アメリカ太平洋岸、カナダ西部
-18 アラスカ
-19 ハワイ、タヒチ


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